宮城県の、高校別大学入試結果について書きましょう。
仙台二高、仙台一高、仙台三高、二華高校、宮城一高、青陵の6校を比較してみます。
(難関国立大学)
東京大学
二華高校(8) 仙台二高(7) 青陵(2) 仙台一高(1) 仙台三高(1)
今年、二華は、中高一貫後、初の受験生となりました。中受験で、青田買いした成果が、ここに出たと思います。
しかしながら、仙台二高は、さすがです。二華高校に、全く引けをとりません。地元志向の宮城県の高校で、この結果は、堂々たるものに感じます。
逆に、仙台一高は、前者二校に、大きく水をあけられました。高校入試での、高い倍率で、受験生の選択幅が多い点を考えても、東大受験において、この結果は芳しくないと思います。
昨年度の東大合格者数と比較すると、仙台二高は、合格者数を減らしています。これは、二華中が、やはり優秀な生徒を中受験で確保した影響だと思われます。
京都大学
仙台二高(9) 二華高校(4) 仙台一高(2) 宮城一高(1)
仙台二高の圧勝です。東大、京大の受験で、中高一貫教育の二華高校に、合計人数で上回るのは、さすが二高です。
二華高校については、中学からの受験生初年度としては、寂しい結果に思えますが、来年度、浪人組を含む結果がどうなるのかに、注目したいところです。
仙台一高は、ここでも大きく水をあけられた形です。学区統合や、共学化してから、上位校の中で、高い人気を誇るにも関わらず、この結果は残念に感じます。
東大京大ともに、仙台一高は、昨年より合格者を減らしています。この結果を見ると、ここ数年、高校入試倍率の低い仙台二高よりも、倍率の高い仙台一高の方が、二華中学の影響を、大きくうけたと感じます。
東北大学
仙台二高(113) 仙台一高(79) 仙台三高(31) 青陵(21) 宮城一高(21) 二華高校(12)
地元志向の強い、宮城県の場合、東北大学の合格結果は重要な判断要素になると思います。
東北大学においても、やはり仙台二高は、素晴らしい結果をだしていると思います。特筆すべきは、医学部の23人合格。これも、仙台二高が圧勝しました。素直に素晴らしいと思います。
仙台一高も、東北大学受験において、強さを発揮しました。医学部合格は2名ながら、地元受験については、二高と共に、他校の追随を許さない結果です。首都圏の高校に、ターゲットとされている、東北大学の合格は、年々厳しくなっています。それを踏まえた上で、やはり一高は、伝統校だとあらためて感じました。
仙台三高、青陵、宮城一高の三校は、上記二校に及ばないものの、私立高校や、その他の公立高校には、影を踏ませない結果です。私立大学の上位校受験においても、良い成果があったようです。医学部については、唯一、青陵が3名合格しています。
二華高校については、東北大学合格者が、寂しく感じます。医学部は1名。二華中出身組初年度の受験、地元大学では、力を発揮できなかったように感じます。来年の浪人組が加わった結果上で、どうなるかが非常に気になるところです。
以上3つの大学について書いてきました。
中高一貫教育後、初の受験生を送り出した二華高校の受験結果に、注目が集まりました。
今年の受験結果を見れば、仙台二高の総合的な圧勝です。医学部受験や、東北大学受験、東大京大のツートップ受験。いずれにおいても、結果は素晴らしいものでした。
地元志向、医学部志向、東大京大志向、全てにおいて、二高はニーズに応えた形です。
仙台一高は、東北大学に強みを発揮しています。やはり、東北大学受験において、一高は、素晴らしい成果がでました。名門の意地が見えた形です。
東北大学について言えば、仙台二高、仙台一高に、利があると結果がものがたりました。
逆に、二華高校については、中高一貫を意識し、東大合格者にこだわりをみせた成果がでたと思います。来年度の、浪人組を待たないと、判断は難しいところですが、宮城県に今まで存在しなかった、東大合格を目的とした公立学校の誕生になる可能性は感じます。
仙台三高、宮城一高は、上位層が難関国立大学。そして有名私立大学受験に、それぞれ強みを感じます。私立高校や、他の公立高校には、追随を許さないことを考えれば、一高、二高、二華中学以外の選択肢として、十二分に余地があると思います。
ここから見えたものは
東大ならば、仙台二高、二華中学
医学部であれば、仙台二高(ただし、来年度の二華高校の合格者数を確認する必要あり)
東北大学であれば、仙台二高、仙台一高
その他の選択肢を求める場合、上記3校以外で東北大学を目指す、また、有名私大を現役で合格したいと考える場合、仙台三高と宮城一高が考えられると思います。
来年の、浪人を含めた、二華高校の入試結果が非常に気になります。
ただし、疑問もあるんです。二華高校の、高校入学組は、成果が出ていないように感じます。二華高校の大きな課題があるとすれば、そこにあるのだと思います。
今年の結果で、多少は二華高校の倍率は上がりそうですが、仙台一高、仙台二高の大学合格状況を見て、その二校に合格する学力を有する生徒が、二華高校を選択するとは、あまり思えません。
宮城県は、やはり、東北大学合格が指標になる県ですから。
それであれば、二華高校の意味を模索し、10:0(受験点数:調査書)のような、思い切った改革を、特例として設ける(宮城県の教育委員会の考えでは、実現は難しい)など、調査書に自信は無いが、学力には自信があるという生徒を集めるか、いっそ、中受験組だけの学校として、青陵と同じ方式にするのが正しいように感じます。
長々と書きましたが、今年の大学受験における、私の感想です。
何かのお役にたてれば嬉しく思います。