宮城県公立後期受験問題の考察

本年度の受験考察です

国語・・・比較的、理解しやすい文章問題。特に、この数年の小説問題は、容易。上位校受験者にとっては、差が出にくい内容。漢文の出題があったが、書き下し分があるために、古文と大差はない。作文の配点が大きい分、余計に差をつけるのは難しい。

上位校では、75点以上が絶対条件

社会・・・一問一答に近い内容。ひねりや、引っかけもない素直な選択問題。記述は、圧倒的に少なく、答えを誘導するキーワード付きで、答えそのものな資料付き。
この教科に存在意義を感じていないのではと、首をかしげてしまいたくなるような簡単で安易な受験問題。
資料を的確に読み取り、重要な部位をまとめることができないと、大きく点を落とす。

上位校では、85点以上が絶対条件

英語・・・毎年のことながら、読みやすい英文に、素直な選択肢。引っかけらしいところもないため、文法よりも、長文力、国語力がある生徒に有利な内容。
英作文も自由度が高く、簡単な単語構成と文法構成で書けば、点を取れる。
長文主体の学習が、点を落とさない鍵。

上位校では、90点以上が絶対条件

数学・・・ポイントは2つ。方程式と、関数。方程式は、問われ方に引っかかると、点を落とす。数学力が問われる。関数は、問題自体は難しくないが、計算量の膨大さに時間をとられると、その後の図形が比較的に難しいため、点数を大きく落としてしまう。
しかしながら、それ以外の部分で、65点~70点は、理解しやすい基本問題があるために、上位校では、余程、数学が得意な生徒ではない限り、全体の数学平均点が下がる為、受験者が横並びになる内容。
上位校では、70点以上が絶対条件

理科・・・基本問題と、よくある問題の組合せ。計算問題は、例年の宮城県の問題に比べ、やや難化しているものの、他県の公立高校の過去問に類似しているものが多数あり、独自色に欠ける。そのため、受験問題集などを多く解いていた生徒に、有利。第五問の最終問題は、頭を抱えた受験生が多いのではないだろうか。
上位校では、75点以上が絶対条件

全体を総括すると、一見、去年よりも「数学」が平均点を落とすために、難しく感じる。
しかしながら、他の教科は、全く変化がない。
全国的にみて、相関図を導入する、数少ない受験制度をもつ宮城県において、問題の易化傾向は、出身中学校における評定の違いが顕著な場合に、公平・公正に欠けていると言わざるをえない。

以上、宮城県公立受験後期問題の考察とさせていただきます。