受験制度改革についての私の意見。

 

先ほど書きました新受験制度についてのブログは、あくまでも制度上可能であるという前提に基づいたものです。

個人的な意見は全く違います。

まず確定しているであろう事項で注視すべきは、前期選抜で225点満点だった調査書点の配点が、特色選抜では195点満点になっていること。

これは、調査点が低い生徒にとって少しだけですが朗報かもしれません。

もう一つ、学力検査点の部分ですが、各教科を0.25~2倍まで設定できるので、例えば5教科全てを1.5倍と設定すれば750点満点となり、今までの前期選抜よりも調査書点の比重が下がるのは確実です。

それが、国数英の3教科に限定されたとしても、学力検査点は650点満点となり、特に宮城県の入試で難しいとされる教科の数学で大きな差がつく可能性があり、数学が得意な生徒に有利に運ぶ可能性が高いと思います。

その部分だけを見ても、今までの前期選抜では225点(調査書点)+300(学力検査点)+小論文という、逆転が難しく小論文の基準が各校で明確ではなかった受験制度を考えれば、新制度は学力の高い生徒に若干、今までよりは有利になると思います。

現行で特色選抜を実施している他県も、進学校は学力検査点の換算率を上げている県があります。

問題は、各高校において面接や作文、実技を設定できるという部分です。

現行制度で1番不透明であったのが、この小論文だと思います。

基準が学校ごとバラバラで、理科と社会の内容を単純に問題としていた状態です。

しかし、今回予想される特色選抜では5教科全てにおいて学力検査が行われます。

作文を半ば強制で普通科に教育委員会が求めるならば、作文の指導が過熱する恐れもあります。

しかしながら、今まで300点満点の学力検査点が5教科500点満点となっただけでも調査書点が低い生徒にとって逆転のチャンスが大きくなるということです。

調査書点も225点から195点に下がります。

それにプラスして、学力検査点の換算率が3教科だけでも上がれば大きなチャンスかもしれません。

5教科全てを上げる高校があり、しかも調査書点の換算率を下げた場合、人気校になるのは確実です。

 

しかし、現行制度と違ってチャンスは1度です。

共通選抜も特色選抜も同日に実施されます。

ですから、生徒の成績を把握し、どちらで受験することが有利かの判断を保護者や生徒、学校や塾は迫られます。

 

全ては制度が決まり、公表されてからの事とは言え、現中1生から実施される制度である以上、数学力の強化を意識すべきかもしれません。

 

言えることは、どんな制度になったとしても大丈夫なように、日頃から努力をして学力と調査書を上げることが1番です。

 

麻布学院(宮城野区原町) 塾長ブログ 2017年12月20日