今の受験制度について、どう思うかを塾業界の方々から質問されることがあります。
私の答えはいつも同じです。
「塾は文部科学省の管轄ではなく、宮城県教育委員会の出先機関でもないので、私がどう思おうと変更されることはありません。現行制度に対応するしかない。」
宮城県の受験制度は、全国的に見ても独自色が強いと思います。
まず、元来から使用されている相関表の存在です。
宮城県以外で、相関表を受験制度に組み込んでいるのは、愛知県や長野県がありますが、その中でも宮城県は評定が重要視される作りになっています。
前期、後期の2回に分けて受験を行うのも特徴的です。
全国的に、公立推薦入試を廃止する流れの中で、宮城県の前期受験は評定の高い生徒が有理に出来ています。
推薦入試と変わりがないと、誰もが考えていると思います。
後期受験に関しても、各高校が受験比率を明確化したことにより、評定の低い生徒は、それに左右されて受験校を変えるケースも増えていると思います。
何より、定時制高校と全日制高校の受験問題が統合されてから、この3年間、受検問題の平均点が高い状態になっています。
平均点が高くなればなり程、評定を受験の点数で逆転するのが難しくなります。
これら全ての項目を考えて、宮城県の受験制度は、評定が高い生徒に有利な制度だと私は考えます。
それは、塾関係者なら誰もが思う事でしょうし、誰にきいても同じ答えが返ってくることでしょう。
現行の受験制度についての不満の声は、制度が変更された当初からかなりありました。
私も不満はあります。
しかしながら、私が不満を持ったところで、その不満が受験制度に反映されることはありません。
今の受験制度の中で、どう対応するかを考えるしかないんです。
男女共学化、前期後期、学区統合、受験比率の設定と、この10年間怒涛の如く制度変更が相次ぎました。
その度に受験生も保護者も、学校の先生も、そして塾関係者も混乱してきたと思います。
でもその中で、塾関係者だけは、お金を頂いている立場です。
営業職が、商品を売る事が出来なけければ、給与に反映してしまうのと同じで、塾は合格実績を出せなければ淘汰されてしまいます。
ですから現行制度がどうであろうが、受験の平均点が高かろうが、塾は対応するしか選択肢が無いんです。
我々塾関係者は、教育評論家ではないので、制度改正を声高に叫んでも生き残れません。
特に個人塾は、生徒の人数が限られている分、対応加減が顕著に現れてしまいます。
ですから対応するしかないんです。
現在、合格実績を出してる塾は、大手塾個人塾関係なしに、受験制度への対応が上手くできている塾だと思います。
そろそろ、受験制度の見直しがある時期かもしれません。
その場合、混乱することが無いよう、麻布学院もしっかり対応しなければなりません。
麻布学院(宮城野区原町) 塾長ブログ 2016年12月8日