昨今、どこの塾も、小論文対策授業を売りにしています。
つまりは、小論文が受験項目にある前期受験をターゲットに、生徒の確保をしているということ。
それは、塾側にとって、とても楽な生徒集め。
何故なら、まず第一に、「小論文」を気にするような、前期受験を受ける生徒は、評定が高い生徒ばかりだからです。
前期受験には、仙台一高以外は、評定のしばりがあります。
仙台二高で考えれば「4.8」
ですから、小論文を気にする生徒を集めるということは、自然に評定の高い生徒が集まるという、塾側の思惑があります。
第二の塾側にとってのメリットは、「小論文講習」で、生徒を集めることで、合格実績の上積みができるからです。
5教科は他塾に通い、「小論文講習」だけを、その塾に通ったとしても、講習主催塾は、合格実績に講習参加者をプラスできる仕組みです。
以上のように、「小論文対策講座」は、塾側には、メリットしかない、おいしい受験対策なのです。
前期受験の倍率の高さを考えれば、たとえ不合格だとしても、「小論文講座」だけを受講した生徒が、講習主催塾の責任を追及することも、まずありません。
それと、前期受験の仕組みであると、後期受験とは違い、受験比率が関係しません(受験比率については、後期受験の仕組みで過去に説明しています。)
つまりは、受験3教科と小論文の点数+学校評定の単純計算で、受験の点数が決まります。
前期受験の評定の満点は225点
後期受験の評定の満点は195点
評定の計算方法も前期と後期は違います。
評定差が大きくなる上に、受験科目が3教科。
しかも、後期のような受験比率がない単純計算。
そして倍率は、どの学校も高い。
評定の低い生徒が、逆転する難しさが解ると思います。
さらに、評定の高い生徒にとっても、前期受験の小論文の内容は、社会科、理科の内容から出題されます。
つまり、社会科、理科の受験対策をしっかり行えば、全く違いがでない内容なのです。
現に、麻布学院の前期受験合格者と不合格者の、小論文の受験獲得点数は、5点以内に留まります。
小論文対策講座とは、受験間近に、他塾の評定が高く、しかも上位校を受験する生徒を獲得するための手段として、とても優れた方法です。
しかも、小論文の題材が、「社会科」「理科」からの出題であるのなら、上位校志望者にとって、もともとの知識で解けてしまう内容。
ですから、各塾共に、講座などではなく、後半の時期に「小論文の書き方」を教え、練習をすれば良いだけの話です。
麻布学院では、もちろん、評定の高い生徒には、個別指導で「小論文」の課題と添削、指導を行っております。
特別な講習費をいただくこともありません。
麻布学院だけではなく、どこの塾も、大げさな宣伝を行っていないだけで、小論文対策はしていると思います。
しかし、そこに差が出るとすれば、「社会科」「理科」の授業内容にあると私は思います。