5教科100点台で入塾する生徒の指導法。

麻布学院にも、毎年、定期テストや模試で5教科180点ぐらいの生徒が入塾してきます。

おもに、女子が多いのですが、当たり前に男子もいます。

1学年に1人~2人、毎年そのぐらいの成績の生徒が入塾します。

保護者の希望は、大抵が公立高校ならどこでも良いという感じです。

 

麻布学院では、このぐらいの成績で入塾した生徒に対して、まず個別指導から始めます。

女子の場合、数学をメインに、分数や小数の計算、正負の数、方程式、連立方程式など、計算部分を徹底的に復習します。

成績の低い女子生徒が1番苦手とする教科である数学をメインにするのには、訳があります。

目的は、勉強する習慣をつけること。

教科の中で、最も勉強した気持ちになるのが数学です。

同じ時間、数学と社会を勉強したとしても、数学の方が勉強をしたという実感がわくものです。

もう一つ、数学をメインにする理由があります。

それは、高校3年間の生活と、将来のビジョンを明確にするというものです。

 

何が言いたいかと言えば、このぐらいの成績の生徒は、私立高校になる可能性が非常に高いのです。

その1つの理由は、180点が250点に上昇したとして、合格ラインの低い高校は、内申点重視の高校が多いからです。

もう1つの理由は、麻布学院に入塾した後、ほとんどの生徒が夜遅くまで勉強するようになります。

ですから、定期テストで180点で入塾した生徒が、新みやぎ模試で280点をとれるぐらいまで成長するのです。

そうした場合、公立高校ならどこでも良いと思っていた本人も保護者も、ここまで頑張ったのだからという思いで、入塾時、想像もしていなかった高校を志望校に考えるようになるのです。

そうなると、余計に私立高校になる確率が上がります。

ここで役立ってくれるのが、数学メインの授業。

高校に入学した後は、理科分野も社会分野も、中学の勉強とは違うものに細分化されます。

例えば理科は「化学」「物理」「生物」など。

例えば社会は「地理」「世界史」「日本史」など。

ですから、勉強をする習慣が身についていれば、高校でいくらでもやり直しがきく教科です。

国語も「現代文」「古典」にわかれます。

 

問題となるのは、中学の学習がある程度影響する「数学」と「英語」だけです。

何故、麻布学院が成績の低い状態で入塾してきた女子生徒に、英語ではなく数学をメインにするのか。

それは、私立高校に入学した場合を想定し、将来のビジョンを考えて指導するからです。

私立高校は、公立高校と比較すれば授業料がかかります。

その金額的な部分が、保護者の考える最大の部分です。

であるなら、私立高校でお金がかかっても、将来の投資になるような条件があれば良いのです。

その条件の1つが「看護師」です。

女性であっても、将来1人で生きていける職業。

その職業につくには、「看護学校」に合格することが条件です。

合格ラインが低く設定されている公立高校よりも、同レベルの女子高系私立高校の方が推薦枠を多くもっているのです。

そして看護系に必要とされる教科は、理数系の教科となります。

高校生活で、数学を1からやり直した成果が発揮されることとなります。

 

麻布学院は、成績が低い状態で入塾した女子生徒については、保護者と相談の上で、特進系以外の私立入学になった場合、「看護師」になることを条件として提示します。

もしそれが嫌であれば、もっと勉強すれば公立高校に合格する可能性が上がりますし、私立高校に入学した場合の明確な目標も出来ます。

 

麻布学院の卒業生で、看護師として活躍している元生徒たちはたくさんいます。

特進系以外の私立高校に入学した場合、数学という教科は、周囲の生徒に対する大きな武器となるからです。

看護系の推薦をもらう障害となるライバルは、大抵の場合、同学年の女子です。特進系ではない私立高校に入学するタイプの女子は、文系教科は得意でも、理数系教科は苦手な場合が多いのです。

ですから数学が強ければ、ライバルに勝てる確率が一気に上がります。

しかし、麻布学院が生徒に提示した看護師という明確な目標は、無限の可能性への布石なのです。

 

 

昨年も、前述の状態で入塾し、真剣に勉強を頑張り、でも無念ながら公立高校に合格できず私立高校に進学した生徒がいます。

しかし、その生徒は「数学」という強みを最大限に発揮し、高校では10番台の好成績を上げています。

麻布学院で養った、勉強する習慣と数学という強みが、高校生活で彼女を優等生という立場に押し上げました。

もし、彼女が看護学校を目指せば、確実に将来推薦がもらえるでしょう。

それだけではなく沢山の選択肢が、今の彼女には用意されていると思います。

つまり、看護師という明確な目標を持って入学することで、それ以外の様々な選択肢も生まれて来るという証明です。

これが麻布学院の思い描く、5教科100点台で入塾した生徒の理想的な未来。

明確な目標は、その他の選択肢を無限に生み出すことに繋がる。

現在の彼女の姿を見ていると、入塾時の彼女を思い出し、感無量です。

彼女はもう、看護師という限定された未来から離れて、いろいろな選択肢から自分の将来を思い描くことの出来る立場になりました。

 

私立高校には私立高校の良さがあります。

その良さを実感するには、勉強する習慣と、明確な目標が必要だと麻布学院は考えます。

 

麻布学院の卒業生には、仙台育英の英進から早稲田大学、東北高校文教から法政大学、そして看護学校に進学した生徒たち。

入塾時には想像もしていなかった、そんな未来を掴んだ先輩たちがたくさん社会に出て活躍しています。

 

麻布学院(宮城野区原町) 塾長ブログ 2016年11月17日