本日も体調不良のためお休みをいただいております。
申し訳ありません。
休み中、生徒の成績管理をしながら、普段なら授業中の時間帯、ネットでいろいろな方のブログを見たりしていました。
みなさん、受験のプロを名乗られていて、内容もためになることがあり大変勉強になりました。
その反面、受験産業のプロとは何をもって言えるのか考えてしまいました。
ある方のブログには評定の低い生徒は提出物を出していないなど問題がある。
低いのは当たり前で、受験は選ぶ立場ではなく選ばれる立場であると書いてありました。
なるほどもっともです。
ではプロであるならそのような生徒をどうやって合格できる学力に引き上げているのか興味を持って見させていただきましたが、そういう物はなく、生徒側に問題があると終始していました。
私にとってそれは何の参考にもなりません。
塾や家庭教師に認定試験などありません。
民間でそのような資格がありますが、ほとんどの受験関連に携わる人間が取得していないと思います。
私自身は、一般企業出身で大きく身体を壊したことで塾業界に来た人間です。
ですからプロであるとはっきり言えるだけ年数がたっていません。
自分自身が名乗るだけで良いならプロと名乗れますが、自分はまだまだ知識や受験結果で考えても完全なプロと断言できません。
では、プロとはどういう物であるのか?
私の考えるプロは、入塾時の点数がどうであろうが、評定がどうであろうと入塾時に保護者や生徒が目指している志望校に合格できる学力に引き上げる事が第一だと思っています。
それに付随する形で、麻布学院は提出物のチェックや美術の宿題について講師を招いたり、音楽については吹奏楽部の生徒が指導してくれたり、評定を出来るだけあげてもらうお手伝いはしています。
しかし、学校での生活を見張る事は出来ません。
ですからそこは生徒に任せしかない実情です。
その結果、評定が3.0や3.2、3.4や3.9になってしまったのならばその評定で合格できる学力まで引き上げることを考えるのがプロの仕事だと思います。
オール5の生徒にはオール5の受験、オール3の生徒にはオール3の受験。
生徒それぞれです。
麻布学院は男女共学、受験制度改革があった後も、コンスタントに3.2で仙台一高、3.9で仙台一高、3.9で仙台二高、3.9で仙台二高の合格者を出しています。
宮城一高の場合、合格者の平均評定が3.4ぐらいです。
このぐらいの評定で、仙台一高や仙台二高を受験した生徒の中に、この3年間不合格になった生徒はおりません。
評定3点台の生徒を仙台三高で1名、宮城一高で1名の生徒を不合格に昨年してしまいましたが、ギリギリまで進路に迷った生徒で、最終決定は願書を出す寸前でした。
しかし、両名ともに東北学院と仙台育英東大選抜特待生合格を果たしていましたので、学力はあったと思います。
現に私立高校進学後は上位にいます。
では私がなぜプロを名乗れないかと言えば、今年の受験でオール5の生徒を合格させてあげることが出来ませんでした。
仙台育英東大選抜で定期テスト1位になれるだけの実力を持ち、中学では学年1位、新みやぎ模試では県内100位以内。宮城ぜんけん模試ではA+の合格判定。
本来であれば確実に合格へと導かなければならない生徒でしたが、中3生からの入塾で、評定以外の記録は全て中3生になってからのものであり、本人も保護者も志望校に迷ってしまった時期があったのです。
その時期に入院している私はプロではありません。
私が思うプロとは、条件の中で最大限の成果を出し続け、欠点は欠点として加味し、改善をしながら結果に結びつけ、生徒の気持ちも保護者の気持ちもケアしながら決して不安ならぬよう、最悪の場合でも将来道が開けて尚且つ保護者の負担を少しでも減らすことが出来る人間だと思います。
それに照らし合わせれば、私は生徒を不安にさせてしまったのでプロではありません。
学力を上げる事についてはプロだと言っても過言ではないかもしれませんが、メンタルの面でのフォローが出来ていない気がします。
プロとは数字が全てだと世間一般では言われます。
プロ野球で言えば、打者なら3割、ホームランなら20本。
盗塁なら50盗塁で一流でしょう。打点で言えば70打点以上ならば高評価だと思います。
後は守備やバントなどを確実にこなす選手も必要ですが、そのような選手でも2割7分で盗塁10以上は求められると思います。
麻布学院は、生徒の約4割を仙台二高や仙台一高に送り出してきました。
約6割をナンバースクール及び関東私立に送り出し、私立専願を入れれば8割の生徒を志望校に送り出しました。
9割の生徒を私立特待または東北学院、宮城学院アドバンスト、ウルスラtype1に合格させて、公立受験に挑んでもらっています。
新みやぎ模試も現在16学年連続で県内1位を獲得し、近隣中学の学年1位獲得も15学年連続です。
学年200名を超える中学で平均在校生が15名~20名の麻布学院の生徒は必ず3名~6名が10位以内です。
上杉山中は生徒2名しかいませんが学年1位と学年10位です。
過去には附属中1位の生徒も複数在籍していました。
しかしこれは全て生徒と保護者の努力の賜物であり、私の力は微々たるものです。
しかし、その中で私が誇れることが1つだけあります。
評定が低い状態で入塾した生徒達が、入塾後私を信じて生活態度を改め、評定をなんとか上げようと努力し、その裏で学力を上げるため限界まで自分を追い詰めて勉強をしてくれました。
ナンバースクールに合格した生徒は何名もいます。
私はその生徒達を誇りに思いますし、塾としてプロであると誇れる唯一の部分です。
その方の生徒さんは素晴らしい評定をお持ちなのでしょう。
麻布学院も平均評定で言えば高い方だとは思いますがまだまだ甘いのかもしれません。
しかし、評定の低い生徒には低い生徒なりの努力もありますし、実技9割と断言する中学で、実際99点(字が汚い)ペーパーテストで獲得しても3にしかならない生徒もいます。
5教科がオール5でも4教科がとれない生徒はいます。
それならそれで、志望校に合格できる学力に引き上げることが出来て初めてプロだと思います。
プロの定義は収入や職歴、商売として優秀などいろいろあるとおもいますが私が生きてきた日本の一般企業では、数字と結果が全てであると教え込まれてきました。
私もプロを目指すのであれば数字と結果、それに基づいた知識と手段を向上させなければなりません。
ですが流石に私も、授業中に騒いでいたり、提出物を出していないような生徒が評定を落せば当たり前だと思います。
麻布学院の生徒は、評定がでそっろった後の2月や3月の課題も、中3生は私が監視して全員提出しています。
それが当たり前です。
ですからその方のブログに書いてある事には概ね同感です。
その方の方がキャリアも私より長く、直接関わりはありませんがその知識には学ばせています。
麻布学院は評定が生徒の味方でもありません。
評定が良い生徒、悪い生徒に関わらず志望校合格の学力まで引き上げるのみです。
今日のブログは決して他の方を批難する目的で書いた訳ではありません。
麻布学院には麻布学院の考えがあり、それを書いたまでです。
その方が書いていた真面目な女子が不真面目な男子に抜かれて落ちるのは可哀そうと書いてあった部分に疑問があっただけです。
真面目にやってきた女子は、後から追いかけてくる不真面目だった男子のせいで落ちることはないと思います。
当たり前に合格します。
そういう生徒を今年落してしまったので私はプロを名乗れません。
ですが逆転して合格した生徒達が悪い合格の仕方だったとは思いませんし、私は少なくとも思ったことはありません。
数多く評定の低めな生徒を合格に導きましたが、それで塾側はよいかもしれないが悪であるというようなご意見は全くもって考えが違えます。
その部分を認めれば、麻布学院は真面目に頑張ってきた女子が合格できたはずの席を、不真面目な男子を塾の都合で合格させ席を奪う悪辣な塾になってしまいます。
麻布学院は、入塾してくれた生徒の条件にあわせて志望校合格を真剣に考えてきただけであって、不真面目な生徒の味方ではありません。
先輩に対して失礼ではありますが、麻布学院という塾の看板を背負う立場として意見は書かせて頂きました。
麻布学院は今までも、そしてこれからも、評定の高低で善悪を判断せず、生徒の志望校に忠実に数字と結果、実績を積み上げるのみです。
そもそも合格に善も悪も無いと私は思いますし、努力せず仙台二高や仙台一高に合格できた生徒など1人もいないと思います。
合格に善悪は存在しない。
麻布学院の看板と卒業生たちの努力を背負う私は断言させていただきます。
麻布学院(宮城野区原町) 塾長ブログ 2018年9月8日