今日から仕事始めです。
ついに3年生は受験月となりました。
前期・私立入試と今まで己を研鑽した評価が合否で出されます。
14年間の入試では、仙台一高・仙台二高に合格した生徒の割合は全体の4割弱。
ナンバースクール・関東私立に合格した生徒の割合が全体の6割弱。
第一志望校合格率が14年間で全体の76.1%。
14年間の生徒総数には私立専願の生徒も含んで281人。
しかし、私立専願の生徒は第一志望校合格に含んでおりません。
私立専願で含んでいるのは仙台一高・仙台二高・仙台三高と同等またはそれ以上の私立高校に進学した生徒のみです。
ホームページに書いておいてなんですが、この76.1%という数字を休み中考えてしまう出来事があり、考え続けました。
76.1%といえば100人いれば76人が合格している確率です。
恥じ入ることの無い数字だと思います。
何故ならば、麻布学院のような個人塾には普通の生徒が集まります。
どんなに実績を出そうが、確率を上げようが個人塾は大手塾のように人材や宣伝費などの経費、そして何よりも知名度が違います。
毎日宣伝を見かけない日が無いような大手塾と、聞いたこともないような個人塾。
比較の使用がありません。
どんなに頑張ったところでそこは変わりません。
麻布学院が中学1年生から育てた生徒が授業料免除の元に大手塾へ移ってしまった事もあります。
それも仕方がありません。
麻布学院は信念の元にその生徒と接して、定期テスト・実力テスト・模試・評定の全てを完璧に仕上げたつもりです。
その上で資金面や知名度で生徒が移動するのであれば、胸を張って送り出して来ました。
それが中3生の夏期講習前であろうが冬期講習前であろうが、麻布学院は己の合格実績にその生徒たちを入れることはしません。
受験を他塾で迎えたのならば、育てたのは他塾であるというのが私の考えです。
麻布学院は、例え定期テストが5教科194点であろうが1年後には校内10位以内に入れる塾です。
入塾時評定2.9であっても仙台一高に合格させた塾です。
附属であろうと、上杉山中であろうと生徒が来れば確実に校内1位を獲得してきた塾です。
宮城野中では16年目に当たる中2生まで学年1位を獲得して来ました。
1位を獲得した中学は、宮城野中・東華中・附属中・上杉山中・仙台二中・五城中・沖野中・南小泉中・西山中と原町の1教室の個人塾では考えられない数字をたたき出しました。
それに10位以内を含めれば五橋中・青陵中・岩切中・東仙台中・高砂中も含まれます。
卒業生には東大理Ⅲを始めとする数々の医学部進学者や東北大を中心とした旧帝国大学進学者、早慶・MARCH進学者を出して来ました。
受験首席も仙台一高で3名。仙台二高で1名。
私立高校で言えば仙台育英・ウルスラの両校で受験首席を輩出しています。
その上での数字が76.1%。
100人中76人の確率で第一志望校合格。
麻布学院は入塾時の成績がどうであろうとその時に言われた志望校か考えもしなかった高校に合格できる学力まで引き上げて来ました。
100人中76人の確率を高いと思うのか低いと思うのか。
助けることの出来なかった24人をどう考えるのか。
塾には全ナンバースクール合格者の名前が合格札とともに14年分残っています。
それとともに、受験生の教室である大教室のボードの上にある入れ物の中には、受験に納得できず後輩に想いを託した合格できなかった生徒たちの学校で使用する名札も残っています。
この76%という数字をどうやれば90・97・99%まで上げることができるか14年間戦い続けて来ました。
データを積み重ねに積み重ね、私の性格とはかけ離れた生徒から見れば厳しく怖い塾長像を演じ、数字と結果を追い求め、そして受験でまた数字を上げることができず、データを積み重ね・・・・・
その繰り返しでした。
数字を上げるためにすべき打開策の1つは結論が出ています。
しかしその方法はとりたくない。
志望校を落として合格率を上げたところで、ボードの上に残された名札達がその麻布学院を是としてくれるのか?
答えは非です。
大手塾のように入塾テストもクラス分けも、まして評定による選別もせず、ただひたすらに学力のみで勝負をする麻布学院の姿を彼らは望んでいるのであって、志望校を下げて仙台東や仙台南、そして数名がナンバースクール合格。
そんな麻布学院を決して彼らは許しません。
それをやった瞬間に私の14年間、生徒にかけてきた言葉の数々が嘘になってしまいます。
76.1%を80%に。そして90%に。
特定の生徒だけではなく全ての生徒を含めて。
全ての個人塾がこの戦いを続けてきたはずです。
今はどうであろうと塾を開設した時には全ての個人塾が理想としてきたはずです。
そして生徒の限界値に近いところまで学力を上げること。
そして、この数字を0.1%であろうが毎年上げること。
80から84へ。90へ。
その過程で櫛の歯が欠けるように、1つ2つと理想を捨てる塾はあったでしょう。
慣れなのか熟知たる想いだったのかは、私には先輩たちの心は推し量れません。
決して個人塾は大手塾の下請けではない。
高い教務能力を持ちたい、高い指導力を持ちたい、経験と体験を全ての生徒とともにしたい。
受験のたびに唇を噛み締め、生徒たちの残していった名札たちを毎晩握り締め、1人1人に思いを馳せながら15年間生きて来ました。
パソコンのデータを何十、何百と打ち直し打ち直し。
もっと大きな自分に、もっと生徒から畏怖される自分に。
76%じゃだめなんです。
24%の生徒が泣くんです。
志望校を落としてはいけないんです。
24%の生徒たちはそれで合格しても喜ばないんです。
私立高校で1位になろうが首席合格だろうが悲しみを引きずるんです。
この数字と戦わない塾は塾を名乗る資格が無い。
そんな塾と交流もいらない。
麻布学院は麻布学院。
そう想ってずっとやってきました。
15年間、自身の持病との戦いでもありました。
1年以上リハビリに要したこともありました。
もう1人の塾長や教え子たちが私の穴を埋めてくれ、歯を食いしばてくれた年もありました。
まだ自分は若い、まだやれる。
そう思いながら15年間。
0.1%の数字を上げるため全員が戦って来ました。
最近焦りを感じます。
休み中ずっと体調を崩していたのも要因の1つでしょうが、焦ります。
数字と戦える自分のまま後何年いれるのだろうか。
私もいつか欠けて行く櫛の歯になるときが来るのではないか?
その時には私は塾業界からすっぱりと姿を消すと思います。
今年も戦いの狼煙があがります。
0.1%の戦いがまた始まります。
新しい戦いの幕開けに自分がまた参加できたことに感謝します。
必要としてくれる人間が1人でもいる限り、矢が尽き、弓が折れようとも私は麻布学院の一員として0.1%に挑む所存です。
居場所を造ってくれた全ての卒業生・保護者様・生徒・講師たち・もう1人の塾長。
そしてまだ見ぬ生徒たちに思いを馳せて今年も麻布学院塾長として獅子奮迅の働きをするつもりです。
あらたな戦いの幕開けに。
立てる喜びを感じながら。
目指すは全員合格。
新しい時代の幕開けとなるこの2019年の初めに
麻布学院(宮城野区原町) 塾長ブログ 2019年1月5日
全ての麻布学院を造った人々に思いを馳せながら。